千葉の無名右腕が急成長でプロ注目。自粛期間に147キロと大幅球速UP (3ページ目)

  • 高木遊●文 text by Takagi Yu
  • photo by Takagi Yu

 くわえて、スカウトも評価した上半身の柔軟性が光る。胸郭や肩甲骨周りがとくに柔らかく、山岡泰輔(オリックス)のように体全体を使って、伸びのあるボールを投げ込んでいた。

「めちゃくちゃ力んじゃいました」と、初めてプロのスカウトが見守るなかでの投球に苦笑いしたが、2月末からコロナ禍による自粛期間も走り込みやウエイトトレーニング、キャッチボールなどを欠かさなかった成果は確実に見て取れた。

 自粛期間中に、球速測定できるボールを使って計測されたという147キロに達することはなかったが、伸びのあるストレートに加え、スラーブ(カーブとスライダーの中間のような球種)、タテに鋭く曲がるスライダーのキレも十分に将来性を感じさせるボールだった。

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 まずは強豪大学への進学を目指しているという清水だが、将来については「プロの第一線で活躍できる選手になりたい。(高校時代は無名だった)ソフトバンクの千賀滉大投手のようにはい上がりたいです」と意気込む。

 目標にしているのは「岸孝之投手(楽天)のようにどこまでも伸びるようなボールや、山本由伸投手(オリックス)のような速い変化球にも憧れます」と目を輝かせる。

「一緒にして楽しい」と語る、仲間たちと戦う最後の夏。

「中央学院にリベンジしたいです。そのためにもこの船橋地区(第2地区)で優勝して、県ベスト8に行きたいです。とにかく1試合1試合を大事に戦いたいです」

 夢描く将来に一歩でも近づくために、そして仲間たちの1試合でも多く戦うために......清水はさらなる大物食いを狙う。

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