元U15侍戦士は強豪より公立校へ「甲子園が特別な場所だとは思わない」 (3ページ目)

  • 高木遊●文 text by Takagi Yu
  • photo by Takagi Yu

 また身長170センチと「投手としては小さい」という懸念に対しても、「身長が低いからピッチャーができないというわけではないということを広めていきたいです」と言い切る。

 中学時代は、侍ジャパンでの登録身長を「172センチに盛りました(笑)」とサバを読んだこともあったが、今はまったく気にしていない。「身長が低くても活躍している楽天の則本(昂大)投手やロッテの美馬(学)選手を目指したいです」と語る。

 こうして偏見や固定観念を払拭してきた清水だが、最後にどうしても打ち破りたいものがある。それが「強豪私学」の壁だ。

 昨年秋は桐生第一と対戦したが、1対8とコールド負け。その悔しさを糧にストレートを磨き、11月には昨年夏の甲子園に出場した霞ケ浦(茨城)を完封した。

「まずは一戦必勝」を掲げるも、全国クラスの強豪校との対戦からさまざまなものを吸収したいと考えている。この夏、安中総合は19日の試合(嬬恋戦)に勝てば、次戦は健大高崎との対戦になる。

「健大高崎とやれることになったら、今まで積んできた練習の成果を出し切って、それでも敵わなかったら、自分の実力がまだまだ足りなかったということ。失敗を積み重ねていったほうが、自分の成長にもつながって自信にもなる。本当に野球を楽しみながらぶつかり合うだけです」

 清水は高校3年間で培ったすべてをぶつけるつもりだ。

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