東京で注目は200センチの二刀流選手。強豪私学には将来性豊かな左腕続々

  • 安部昌彦●文 text by Abe Masahiko
  • photo by Ohtomo Yoshiyuki

スポルティーバ厳選! 
高校野球 47都道府県の注目選手
東京編

 新型コロナウイルスの影響により毎年夏に甲子園で開催される「全国高等学校野球選手権大会」が中止となり、その代わりに、各都道府県は独自の代替大会を開催する。東京も7月18日に「2020年夏季東西東京都高等学校野球大会」が開幕。18日は雨のため、東東京は一部試合が行なわれたが、西東京大会は全て中止。19日以降も白熱の試合が期待される中、注目選手を紹介したい。

帝京・前田監督の名将と呼ばれるまでの軌跡の記事はこちら>>

不遇を糧に名将となった日大三・小倉監督の記事はこちら>>

200センチの長身から投打で圧巻のプレーを披露する二松学舎大付・秋広優人200センチの長身から投打で圧巻のプレーを披露する二松学舎大付・秋広優人 昨年秋の都大会を見る限り、絶対的な"本命"は見当たらないが、選手の潜在能力なら二松学舎大付が魅力十分。

 200センチ、95キロの秋広優人は、これだけの雄大なサイズを持ちながら、50mを6秒そこそこで走る運動神経と抜群のボディバランス。4番としてここまで高校通算20本以上を放ち、投げても最速143キロのストレートを投げ込む"二刀流"。素材の高さは都内随一だろう。

 1年春から不動のレギュラー捕手としてマスクを被る山田将義は、インサイドワークに定評があり投手陣を支える。中沢海斗は秋広に勝るとも劣らないパワーが魅力の強打者だ。

 昨年秋からの変わり身では、関東一の今村拓哉に期待している。180センチ、82キロという均整のとれたサウスポーで、腕の振りがすばらしい。練習を積んでいけば、150キロは軽くクリアしそうな勢いだ。昨年秋、帝京戦でリリーフし、4イニングで4点を奪われたが、12個のアウトのうち9つが三振という快投を演じた。ひとつ切り札となる変化球を覚えたら、さらに攻略困難な投手になるはずだ。

 昨秋、都大会準優勝の帝京も選手が揃っている。一塁手兼投手の武者倫太郎(むしゃ・りんたろう)、外野守備の球際に瞬発力が光る加田拓哉、インサイドワークのうまさと選球眼にすぐれる新垣熙博(きはく)、すでに大学生クラスの走攻守を誇る二塁手の小松涼馬は、都内でもトップクラスの選手たちだ。

 投手では188センチの大型左腕・田代涼太が面白い。柔らかい腕の振りで、リリースポイントが打者寄りのため、バッターはストレートに差し込まれ、変化球に泳がされる。今シーズン台頭中の楽天・弓削隼人(佐野日大→日大)の学生時代の姿と重なる。

1 / 3

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る