奈良の2強、天理と智弁学園を追うライバル勢。台風の目は進学校か

  • 沢井史●文 text by Sawai Fumi
  • 大友良行●写真 photo by Ohtomo Yoshiyuki

スポルティーバ厳選!
高校野球47都道府県の注目選手
奈良編

 新型コロナウイルスの影響により毎年夏に甲子園で開催される「全国高等学校野球選手権大会」が中止となり、その代わりに、各都道府県は独自の代替大会を開いている。奈良では県独自の代替大会「奈良県高等学校夏季野球大会」が7月18日に開幕。熱戦が期待される中、注目選手を紹介する。

 昨秋の近畿王者の天理、同じく奈良県王者の智弁学園が2強を形成する。
昨秋、驚異的な打率を記録したリードオフマン・下林源太(天理)昨秋、驚異的な打率を記録したリードオフマン・下林源太(天理) 天理は昨秋、1試合ごとに成長を感じる戦いを繰り広げた。県3位で挑んだ近畿大会では、初戦から相手を圧倒した打線の勢いは、決勝まで衰えなかった。

 その火付け役となったのが、主将で1番の下林源太だ。小柄ながらミートセンスに長け、長打も打てる左のリードオフマン。初戦の報徳学園(兵庫)戦で、本格派右腕・坂口翔颯(かすが)から先頭打者アーチを放つなど、近畿大会4試合で.688の驚異的な打率を残した。

 そのほか打線は、昨年11月の明治神宮大会準決勝で1試合3本塁打を放った左打ちのスラッガー河西陽路(ひろ)、近畿、明治神宮の両大会で大ブレイクした強打の瀬千皓(せ・ちひろ)、長打力が売りの山地裕輔らが軸を固める。どの打順からでも畳み掛けられる攻撃力は圧巻で、昨秋の公式戦のチーム合計本塁打数は20本を記録。センバツ出場権を得た32校中トップだった。

 天理の投手陣は、近畿大会決勝の大阪桐蔭戦で好投し、彗星のごとく現れた2年生の192センチ大型右腕・達(たつ)孝太に注目。冬のトレーニングの成果が楽しみだ。強気な攻めが持ち味のエース右腕・庭野夢叶(むうと)は先発が中心で、ゲームメークに長ける。

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