元プロ野球選手・佐々木誠が指導。鹿児島城西の右腕コンビがすごい

  • 加来慶祐●文 text by Kaku Keisuke
  • photo by Kyodo News

スポルティーバ厳選!
高校野球 47都道府県の注目選手
鹿児島編

新型コロナウイルスの影響により毎年夏に甲子園で開催される「全国高等学校野球選手権大会」が中止となり、その代わりに、各都道府県は独自の代替大会を行なう。鹿児島では県独自の代替大会「2020鹿児島県夏季高等学校野球大会」が7月8日に開幕。白熱の試合が繰り広げられている中、注目選手を紹介する。

 8月の甲子園交流試合に出場する鹿児島城西。秋の九州大会4強入りを支えた八方(やかた)悠介と前野将輝(しょうき)の両右腕に大きな注目が集まる。
鹿児島城西の速球派右腕・八方悠介鹿児島城西の速球派右腕・八方悠介 181センチ、74キロの八方は速球派で、最速146キロ。しなやかな腕の振りから放たれる直球、スライダー、チェンジアップ、スプリットはいずれもキレがある。元プロ野球選手でパ・リーグ首位打者にも輝いた経験がある佐々木誠監督の指導を受け、下級生時代から実戦で腕を磨いた。佐々木監督は「自分で招いたピンチは、自分の力で抑え切ろうとする責任感の強さがある」と評価。持ち前の気持ちの強さは、エースにふさわしい。

 一方の前野も最速143キロを叩き出す。最大の持ち味はスライダーで、佐々木監督が「高校生離れしている」と絶賛する。昨秋はそのスライダーを武器に、イニング数を上回る奪三振数を記録している。八方、前野の両者の切磋琢磨が、お互いのパフォーマンスを向上させてきた。鹿児島の独自大会や「2020年甲子園高校野球交流試合」でも、圧巻の継投が見られることを期待したい。

 昨年の甲子園でチームの主力となった逸材たちが残る神村学園は、桑原秀侍(しゅうじ)が評価を上げている。甲子園では四番・左翼手として出場した桑原だが、6月には投手として147キロを記録。冬の間に遊撃手としての練習に専念したことが功を奏し、体の動きと球のキレが大きく向上。体重も半年で5キロも増え、球威もアップした。

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