2020.07.10

無敵の星稜は奥川恭伸の後継者も成長。
待ったをかけるチームはどこか

  • 沢井史●文 text by Sawai Fumi
  • 大友良行●写真 photo by Ohtomo Yoshiyuki

 注目選手が目白押しの星稜に待ったをかけるチームはどこになるのか。まずは日本航空石川を挙げたい。昨秋の県大会、北信越大会ではいずれも星稜に大敗したが、チーム・選手は確実にレベルアップしている。

 入学時から注目の的だった右腕・嘉手刈浩太(かてかる・こうた)は身長190センチ、体重105キロの大きな体を生かした力強い速球が持ち味で、最速は147キロ。昨秋の北信越大会は右ヒジの状態が思わしくなく、主に三塁手として出場。登板はなかったが、冬場にピッチングを再開し、球速、球質ともにレベルを高めた。嘉手刈の好調ぶりに、中村隆監督は「夏には150キロが出るかもしれない」と絶賛した。

 昨秋の北信越大会はエース番号を背負った田中颯希(さつき)も右の本格派で、練習時から常にストライク先行のピッチングを意識するようになり、大崩れしにくくなった。主将で2番左打者の井口太陽は出塁率が高いチャンスメーカー。巧打の毛利水樹、俊足の石井幸希らしぶとい打者も多い。

 リベンジに燃えているのは、遊学館も同じだろう。昨夏の県大会では1対2の接戦で、秋は大差で星稜に敗れ、「今度こそ」という思いは強い。

 中学時代は全国大会で無安打無得点を達成し、1年秋からエースを務めてきた右腕・高田竜星が雪辱に燃える。昨夏はリリーフで星稜戦に登板し、6回1/3を投げて1安打無失点と好投。自信を高めて秋の星稜戦に臨んだが、力みからリズムを乱し、7四死球を与えるなどして3回1/3を投げて6失点で降板した。冬にフォーム見直しと体重増量に努力し、制球も徐々に安定。春にはスピードを意識せずに力まずに投げることで球の走りもよくなった。

 攻守にまとまる右投げ左打ちの寺田敦が攻撃のキーマン。また、投手としての資質も高く、2年生ながら主砲を務める土倉瑠衣斗(るいと)や、土倉と同じく昨夏からレギュラーで2年の正捕手・新保朋也ら下級生にも好素材が多い。

 昨秋の北信越大会に出場した金沢商は、エース右腕の米沢拓海の出来がカギを握る。身長180センチ、体重60キロ台と細身だが、伸びのあるストレートと緩いカーブを織り交ぜる。昨秋の県大会準決勝では星稜打線を8回まで無失点に抑える好投を見せた。気持ちで押すピッチングが持ち味の右腕・甲斐舜一郎との2枚看板で、今夏も上位進出を狙う。