広島の夏。広陵、武田の本格派右腕と高陽東、尾道商の強打者に注目だ (3ページ目)

  • 井上幸太●文 text by Inoue Kota
  • photo by Inoue Kota

 左腕の活躍が目立つなか、昨年の1年生大会優勝投手になった広島新庄の右腕・花田侑樹、昨夏の県大会決勝のマウンドを1年生ながら任された宗清哉太(むねきよ・かなた)、大土井颯(おおどい・はやて)の尾道の左右両椀は、秋以降も追いかけていきたい好素材。

 野手の注目候補筆頭は、広陵の遊撃手・宗山塁で間違いない。ひと冬超えて、身長、体重ともに増加し、1年秋の神宮大会、2年春のセンバツでも話題を呼んだ高水準の走攻守にパワーが上乗せされた。最後の夏、定評のある洗練されたプレーだけでなく、力強さも披露してほしい。

 広陵では、三塁を守る渡部聖弥も見逃せない存在。昨秋の県大会3位決定戦では、追撃の本塁打を放つなど、一発長打のある打撃に魅力が溢れる。

 宗山の対抗馬に推したい左の巧打者が、広島新庄の中軸に座る下志音(しも・しおん)。懐近くまでボールを呼び込み、左中間を鋭いライナーで突破していく打撃技術はハイレベルだ。

 長打力で一歩抜け出た存在が、高陽東の間瀬場秋(ませば・しゅう)と尾道商の松井健のふたり。

 間瀬場は、1年秋の地区リーグ戦で1試合3本塁打を記録した左のスラッガー。飛ばすツボだけでなく、逆方向に打ち返す対応力や2年夏からコンバートされた三塁守備を器用にこなす点にも注目したい。下級生時代はケガに泣かされることが少なくなかったが、現在は体の不安も一掃。万全の状態で集大成の夏に挑む。

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