福岡にドラ1候補の超大器。プロスカウトも「スケールが違う」と大絶賛 (2ページ目)

  • 加来慶祐●文 text by Kaku Keisuke
  • photo by Ohtomo Yoshiyuki

「最近はスライダーばかり投げたがる投手が増える一方で、リリースが難しいカーブを自在に操れる子が少なくなってきた。その点、山下はカーブを完全に自分のものにしている。カーブを投げられればストレートは速く感じるので、打者にとっては非常に厄介なんですよ。そういう意味では、山下くんは自分のよさを生かす投球ができている」

 昨年行なわれた招待試合では、大阪桐蔭を相手に5回を投げて5点を失ったが、12個の三振を奪って存在感を示した。気の早いスカウトは、「短いイニングを全力でいけるタイプ。リリーフの適性は高いと思います」と抑え投手としての可能性も示唆している。まだスタミナという点では課題はあるが、ボールの質、威力という部分では「九州ナンバーワン」だろう。

 この山下とともに福岡大大濠の主力として注目されているのが深浦幹也だ。中学時代はU-15の侍ジャパンに選ばれた実力者で、左腕から140キロを投げる好投手であり、広角に長打を打てる強打者でもある。将来的にどちらでもやっていけそうなポテンシャルを秘めているが、左腕としてあれだけのスピードボールを投げられるのは大きな武器だ。

 また、福岡大大濠には強肩、好守の遊撃手・山城航太郎もおり、選手のポテンシャルの高さは県内でも群を抜いている。

 昨年秋の九州大会に出場した福岡第一と福工大城東には、将来楽しみな大型捕手がいる。福岡第一の岸本暖(だん)は遠投120m、二塁送球1.8秒の強肩を誇り、バッティングも昨年秋の福岡大会で3本塁打を放つなど、打者としての能力も高い。

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