大学野球のドラフト「隠し玉」。公式戦未勝利、無安打でもすごい男たち (3ページ目)

  • 高木遊●文 text by Takagi Yu
  • photo by Takagi Yu

 高校時代からプロ注目の存在だったが、国学院大に進学。2年冬にウエイトトレーニングの効果で球速が5キロほど上がると、3年春は抑えとして8試合に登板。「ボールに力があるし、ピンチでも動じない精神力もあったので」と鳥山泰孝監督から厚い信頼を得ていた。

 だが夏に右ヒジを故障し、クリーニング手術を行なった影響で秋は登板機会がなかった。それでも今年は、最上級生として「自分がチームを勝たせる投球をしたいです」と意気込んでおり、鳥山監督も1回戦の先発起用を決めていたという。

 立正大の倉田は最速145キロを誇るサイドハンド。常総学院時代はエースナンバーこそ鈴木昭汰(現・法政大)に譲っていたが、負けず劣らずの好投で3年夏の甲子園8強に貢献した。

 立正大でも1年春から登板したが、2年時はケガで未登板。3年時は16試合に登板するも、チームが低迷し0勝6敗に終わった。それでもサイドハンドからの威力のあるストレートに加え、「上の世界でも通用する」と坂田精二郎監督が太鼓判を押すスライダーもある。

 両投手とも経験は豊富なだけに、秋に好投を続けることができればプロ入りする可能性は大いにある。

 また東都の2部には、昨年春に6勝を挙げ、スカウトからも「すごい球があるわけではないが不思議と抑える」と実戦力の高さを評価されている左腕の佐藤奨真と走攻守三拍子揃う大型遊撃手の大庭樹也(おおば・たつや)の専修大コンビや、3部にも最速153キロ右腕の近久輝(ちかひさ・あきら)と強肩捕手の白石翔樹(しょうき)の東農大バッテリーなど、虎視眈々とプロを目指す逸材が揃っている。

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