大阪桐蔭の応援団長が「パワプロ」で覚醒⁉新記録樹立でドラフト候補へ (6ページ目)

  • 菊地高弘●文 text by Kikuchi Takahiro
  • photo by Ohtomo Yoshiyuki

「パワプロってあるじゃないですか」

── パワプロ? ゲームの?

「はい。昔は野球ゲームをあまりやってなかったんですけど、大学に入って寮でチームメートとパワプロで対戦するようになったんです。それでやっていくうちに、現実の野球もうまくなっていきました」

── ?

 たしかに「冗談なのかな?」と思ってしまった。「パワプロ」とは、大人気ゲームシリーズ『実況パワフルプロ野球』のこと。だが、本人の大真面目な説明を聞くと、決して悪ふざけではないことが伝わってきた。

「現実の世界とパワプロの違いって、ストライクゾーンを立体でとらえるか、平面でとらえるかだと思うんです。パワプロでは9分割のストライクゾーンにカーソルを合わせて、タイミングよく打ったら飛んでいきますけど、現実世界で打とうと思ったら平面のポイントでは打てないじゃないですか。でも、僕の場合は今まで難しく考えすぎていたので、『ゲームみたいに平面でいいんじゃないか?』と考えてみたら、現実にうまいことマッチして打てるようになったんです」

 ゲームで繰り返し対戦するうちに、今まで藤原忠理監督から教わってきた配球論が理解できるようになったという。さらに「チェンジアップを打つときの間合いや、外に逃げていくスライダーの見逃し方もパワプロで学びました」と大石は語った。

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