大阪桐蔭の応援団長が「パワプロ」で覚醒⁉
新記録樹立でドラフト候補へ

  • 菊地高弘●文 text by Kikuchi Takahiro
  • photo by Ohtomo Yoshiyuki

 高校卒業後、天理大に進学した大石だが、活躍するまでには時間を要した。2年時に大学選手権に出場した際も、リーグ戦で常時出場できたわけではない。大石に「レギュラーを奪ったと実感した時期は?」と尋ねると、こんな答えが返ってきた。

「去年(2019年)の秋も最初の2節は代打とか途中交代やったので、まだフルシーズン出たことがないんです。だからレギュラーと言っていいのか......」

 3節目の大阪産業大との2回戦で、大石は満塁弾を含む2本塁打5打点と大暴れする。この試合を含め、残り5試合で22打数10安打、打率.455、5本塁打、15打点と神がかった猛打を見せたのだった。

 いったい何が変わったのか? 大石に聞くと、「考え方と練習の取り組み方ですかね」という答えが返ってきた。

 いかにも平凡な回答に思えたため、もう少し掘り下げようと「考え方とは、具体的にどういうことですか?」と聞いてみた。取材前の下調べでは「ウエイトトレーニングでパワーがついた」という要因が報じられていただけに、そんな回答が返ってくると予想していた。だが、なぜか言いにくそうな態度を見せた大石は「これ言ったら、ふざけてると思われるかもしれないんですけど......」と前置きをしてこう続けた。

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