高岡第一に独特オーラのスラッガー。文武両道で学校案内の表紙も飾る (3ページ目)

  • 沢井史●文 text by Sawai Fumi
  • photo by Sawai Fumi

 さらに、中家は学業も優秀で、特別進学コースの文武両道である。村本監督は「よくウチに来てくれた」と感謝する。

「地元の県立の進学校に合格できるだけの学力を持っています。彼は模範生で、学校案内のパンフレットは中家が表紙になっていて、中のページにもところどころ出てきます。普通なら進学校に行くと思うのですが......」

 中家が高岡一を選んだのには、ちゃんとした理由がある。

「(社会人野球で実績のある)村本監督の指導を受けたかったからです」

 その尊敬する村本監督と甲子園を目指していたが、新型コロナウイルスの影響で2月下旬から思うように練習ができず、予定していた練習試合もことごとく中止となった。そして5月20日には、夏の甲子園大会の開催中止が決定。集大成の場に立つことができないまま、高校野球に終止符を打たなければならなくなった。それでも中家は気丈に語る。

「去年まで当たり前に野球ができていたけど、今年は練習もなかなかできないなかで、野球ができるだけでもありがたさを感じています」

 夏の富山県大会は中止になり代替大会の開催が予定されているが、ひとりでも多く、中家のあの力強いバッティングを見てもらいたい。

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