コロナ禍で混沌とするドラフト戦線。
現地点での上位候補は?

  • 菊地高弘●文 text by Kikuchi Takahiro
  • photo by Ohtomo Yoshiyuki

 2020年のプロ野球ドラフト展望を語るにあたっては、いくつもの「クエスチョンマーク」をクリアしなくてはならない。

・大学野球の秋のリーグ戦が予定どおり開催されるか?

・大学野球の秋のリーグ戦が開催されたとしても、プロ野球のスカウトが視察できる状況になっているのか?

・一部メディアで報道された高校球児対象のトライアウト合宿は実施されるのか?

・ドラフト会議の日程(11月5日予定)は社会人の都市対抗野球大会(11月22日〜12月3日)よりあとになるのか? また、大会そのものも開催できるのか?

 新型コロナウイルス感染症の終息の見通しは完全には立っていない。上記のイベントがすべて中止になる可能性すらある。

 また、6月19日開幕のプロ野球にしても、感染状況によっては中断される可能性もゼロではない。シーズンがまともに送れなければ、プロ側も戦力の見極めが困難になり、戦力外通告を受ける選手が減るかもしれない。となると、当然ドラフト会議で指名する人数にも影響してくる。

 生命が脅かされる状況であれば、スポーツが二の次、三の次になるのはやむを得ない。現時点でのドラフト戦線は最悪の事態を想定したほうがよさそうだ。

 近年の清宮幸太郎(早稲田実→日本ハム)、根尾昂(大阪桐蔭→中日)、佐々木朗希(大船渡→ロッテ)は高校2年秋時点で「1年後のドラフトの目玉になるだろう」と目されていた。だが、今年の高校生は好選手こそいるものの、昨秋の時点で目玉になりうる大物はいなかった。

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