上林誠知に意地の3奪三振。浦和学院・小島和哉が182球の熱投も涙 (2ページ目)

  • 菊地高弘●文 text by Kikuchi Takahiro
  • photo by Ohtomo Yoshiyuki

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 だが、いざ試合が始まってみるといきなりショッキングな展開が待っていた。1回表に浦和学院が1点を先取すると、その裏に仙台育英が一挙6点を取り返したのだ。

 春のセンバツ5試合で42回を投げてわずか3失点だった小島は、まさかの1イニング6失点。先頭の熊谷敬宥(現・阪神)に一二塁間を破られると、制球が定まらずに2暴投、5四死球と大乱調。3度の押し出し四死球と鈴木天斗(たかと)、熊谷の連続タイムリーでビッグイニングを作られてしまった。

 これで仙台育英ペースになると思いきや、試合は落ち着くことなく、3回表にはさらなるビッグイニングが待っていた。浦和学院は打者13人、7安打3四死球の猛攻で8点を奪い返すのだ。

 この回、イニング途中で仙台育英のライトは打球を後ろに逸らした阿部涼平から首藤大地に代わった。首藤はこの時点で3人目のライトだった。先発ライトは川島祐太だったのだが、第1打席で阿部が代打に送られていたのだ。私は「野球の歴史上、3回までにライトに3人もついた試合などあっただろうか......」と不思議でならなかった。

 さらにこれだけでは終わらない。3回二死までたどり着いたものの、先発・鈴木天斗をあきらめた仙台育英陣営は、リリーフに馬場皐輔(こうすけ/現・阪神)を送る。鈴木はベンチに下がることなく、ライトへ......。つまり、3イニングで実に4人目のライトである。

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