四国IL愛媛がいち早く選手の給与を保証「若者が挑戦する場を守りたい」 (3ページ目)

  • 阿佐智●文 text by Asa Satoshi
  • photo by Asa Satoshi

 球団も再度、感染防止のガイドラインを作成。この際、薬師神績(やくしじん・いさお)球団代表が練習場まで足を運び、先述したように今シーズンの報酬について、選手、スタッフに伝えた。

「なんかその部分だけ切り取られちゃって」と、薬師神代表は苦笑する。

「感染防止のガイドラインを改定したので、その説明と、いろいろな企業やスポーツチームで"給与不払い"のニュースが流れていたので、まずは選手を安心させるために言っただけのことなんです。その時は、シーズン終わりまでとは言っていなかったのですが......。それを地元テレビ局がキャッチしてローカルニュースで流すと、地元紙もそれに追随して......」

 メディアで流れたのは、今シーズン終了までの全選手28人、スタッフ4人の給与(総計約7000万円)の支払いを確約するというものだった。

 球団の経営母体は、薬師神が会長を務める星企画である。幸い、この業種はリモートワークが可能で、現在のところ、コロナによる大きな業績低下はないという。ただし、今後クライアント側の業績低下により売り上げが減少することは十分に考えられ、予断を許さない状況である。

 球団の収支も、試合が開催されなければ、その分のチケット収入と物販収入が入ってこない。他のプロスポーツも基本的に同じであるが、収入の柱は興行収入(チケット代)、スポンサー収入、後援会(ファンクラブなど)収入、物販収入からなる。

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