済美の「オヨヨドォ~ス!」に大苦戦。芸人ティモンディが「野球留学」を語る (6ページ目)

  • 菊地高弘●文 text by Kikuchi Takahiro
  • photo by Kikuchi Takahiro

――何を言っているのか全然わからないですね(笑)

前田 あと、練習中に上甲監督が監督室からマイクを通して何かを話すんですけど、声質がガビガビで何を言っているのかわからないんです。でも、2年生と3年生は返事して、すぐに行動できる。1年生はそれを呆然と見ているだけ。方言よりも、そっちのほうがキツかったですね(笑)。

高岸 本当に何を言っているのかわからないので、2年生の世話係の方を親鳥のように見て、ついていくだけの日々でした。

前田 ちゃんと世話係の先輩をつけてくれていたんだよね。でも、慣れるまでにだいぶ時間がかかったよな。

――1年生ならではの雑用が大変だったということはなかったのですか?

前田 済美の場合、1年生が仕事をできていないと上級生が走らされるんです。それって、実は一番キツイ罰だと思うんです。自分のミスで上級生が走らされているのを見たら、「もっとしっかりしよう」と思いますから。大人になっても、自分が何かしてしまった時にいろんな人に迷惑がかかる。それを高校時代に先んじて学んだような気がします。

――先輩に迷惑をかけたことはあったのですか?

前田 数えきれないくらいあります(笑)

高岸 ボール探しの係のプレッシャーは、ものすごいものがありましたね。

前田 一生懸命拾っていても、翌朝に見つかっちゃうんだよな。監督がビックリするくらい早起きして、落ちてるボールを見つけちゃう。「そんな甘いチームにお前らはしてるんだぞ」と先輩が怒られるんです。

――どんなに血眼になって探しても見つからなかったボールが、翌朝にあっけなく発見される......。全国共通の野球部あるあるは、済美でも存在したのですね(笑)。

(後編につづく)

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