ドラフト候補・元山飛優の成長。大塚光二監督の言葉で自己中が消えた (4ページ目)

  • 永田遼太郎●文 text by Nagata Ryotaro
  • photo by Nagata Ryotaro

 本人の感触は上々だが、新型コロナウイルスの影響で、キャンプ、オープン戦が中止となり、リーグ戦開幕も不透明で、まだ実戦で試す機会には恵まれていない。次のステージを目指すにあたり、不安は募るばかりだ。

 そんな元山の気持ちを汲むように、大塚監督は次のように語る。

「全部の責任を背負わせるのはかわいそうだと思いますし、やっぱりのびのびと野球をやってもらいたいですね。キャプテンであり、ショートという大事なポジションを守っているので、やることは多いかもしれませんが、元山を中心としてまとまっていけるよう、僕らも協力してやっていければと思っています」

 それでも元山は「後悔のないように」と気丈に振る舞う。

「最近はあまり自主練をしないようにしているんです。『野球がしたい』という気持ちを練習にぶつけたいなと。以前は自主練を長々とやっていたんですけど、そうなるとメリハリがなくなって、全体練習の内容が薄く感じる気がしたんです。自主練がメインで、全体練習がサブみたいな......はたして、それがチームにとっていいのかと。野球がしたくなる気持ちをあえて抑えて、全体練習の時にそれをぶつけたろうと思うんですよね。そう考えたら、今は毎日がめちゃめちゃ充実しています」

 ひとつひとつの行動に意味を持たせるようになった姿は、この3年間の成長の証しだろう。

 飛び抜けた優れた成績を残してプロへ──元山飛優の挑戦は続く。

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