涌井秀章の元女房役が横浜高の監督に。「練習で泣け、試合で笑え」

  • 大友良行●文 text by Ohtomo Yoshiyuki
  • photo by Ohtomo Yoshiyuki

 昨年9月、当時の指導者たちによる部員への暴言・暴力行為が発覚し、監督、部長が解任。それ以来、空席となっていた名門・横浜高校の新監督に、元神奈川県立白山高校の教員監督で、横浜高OBの村田浩明氏(33歳)が就任した。4月1日の会見で、村田監督はこう決意を述べた。

「18年前、横浜高校の門を叩いた時に、夢と希望、そして不安を感じたことなどが蘇ってきます。歴史と伝統のある学校で、母校のために頑張るつもりです。監督不在のなかで高山大輝コーチらがチームを支えてきた。それを引き継ぐかたちで、この夏にかける思いは強いです。なんとか3年生が甲子園に行って、そこで横浜高校のいい思い出をつくれるようにしたい」

横浜高の新監督に就任した村田浩明氏横浜高の新監督に就任した村田浩明氏 現役時代の村田監督は、強肩と鉄壁の守りで1年秋から横浜高の正捕手として活躍。2年春のセンバツでは成瀬善久(元ロッテなど)、涌井秀章(楽天)とバッテリーを組み準優勝。3年夏は主将として甲子園出場を果たしベスト8に進出するも、準々決勝で駒大苫小牧(南北海道)に敗れた。

 村田監督が指導者の道を志したのには、当然のことながら理由がある。

 駒大苫小牧に敗れたあと、応援席にあいさつを終えてベンチに戻ると、渡辺元智監督(当時)から突然、こう声をかけられた。

「いつかここに戻ってこられたらいいなぁ」

 その瞬間は「えっ」と思わず言葉を飲み込んだが、そのひと言がいつまでも頭から離れず、本格的に指導者の道を目指すことになった。

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