甲子園常連校監督がコロナ不安を吐露
「3年生の進路にどう影響するか」

  • 沢井史●文 text by Sawai Fumi
  • photo by Kyodo News

 同じ寮生活でも、遠方からの生徒を多く預かる学校の悩みも深い。

 昨年、春夏連続甲子園に出場した八戸学院光星(青森)は、3月4日からの休校が決まった時、多数在籍する関西方面出身の選手たちを帰省させようと考えていた。

 だが、大阪や兵庫をはじめとする関西は感染者が多く、かえってリスクが高くなる。寮にいれば外部との接触は避けられ、安全も確保できるということで、選手全員を寮に残すことにした。

 午前中を学習時間にあて、午後から3時間程度の練習を続けた。青森は3月でもまだ寒いため、練習は室内練習場のみ。予定していた関東遠征などの練習試合はすべて中止となった。

 4月7日から新学期が始まり、当初は学年別で登校日を設け、生徒は3日に一度、登校することになっていたが、感染者が一気に増加したため、5月10日まで臨時休校となった。

 こうした状況に、仲井宗基監督はこう本音をもらす。

「正直なところ、先が見えないので何とも言えませんが、今の状況では夏の大会もどうなるかわかりません。来月7日から通常授業が再開予定になっていますが、変わる可能性もあります。このままだと最悪のことも覚悟しないといけないでしょう。

 きれいごとになるかもしれませんが、甲子園に出場するためにウチに来てくれた生徒が多いなか、仮に夏も......ということになったとしても、我々は社会に通じる人間を育てるのが役目なので、そういったことを教えてあげないといけない。もちろん、夏の大会があると信じて準備はしますが、不安は常にあります」

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