あえて指名凍結を選択。強心臓右腕が術後に驚異的回復→再びドラフト候補へ (3ページ目)

  • 菊地高弘●文 text by Kikuchi Takahiro
  • photo by Kikuchi Takahiro

 何よりも気力の充実が大きい。投球練習から「オラッ!」と声をあげながら、のびのびと腕を振り、勢いのあるストレートを投げ込む。ヒジの痛みを抱えながらマウンドに上がっていた昨年とは、覇気が違う。

 もともと「都市対抗だろうが緊張したことがない」と豪語するほどの強心臓を売りにする投手である。体が万全でパフォーマンスも上がっているとなれば、当然プロも放っておかないだろう。

 一足先にプロへ進んだ太田へのライバル心、対抗心はないという。

「太田とは今も連絡を取り合っていますし、龍は龍で頑張ってほしいと思っています。でも、『追いつきたい』という思いはないんです。龍とはピッチャーとしてのタイプが違うし、あんなエンジンの大きさは僕にはないですから。僕は僕でやっていきます」

 毎年コンスタントにプロへと人材を送り込むJR東日本。今年は投球バリエーションに長けた先発タイプの左腕・伊藤がドラフト戦線に浮上しているが、強心臓の西田もじっくりと力を養成している。

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