野球界に新たな風。菊池雄星、大谷翔平の
母校が女子硬式野球部を創設

  • 佐々木亨●文 text by Sasaki Toru
  • photo by Sasaki Toru

 同記者会見で花巻東高の理事長兼校長である小田島順造氏は、創部への思いを語るうえで「地方創生」という言葉を何度も口にした。

 また、女子硬式野球部の練習場所は、花巻市内にある笹間球場がメインになる予定。花巻市全体として、新たな船出を後押しする機運も高まっている。まさに地域がひとつとなり、その活性化の一翼を担う意味でも、女子硬式野球部の存在意義は大きい。

 初代監督を務めるのは、昨年までトヨタ自動車東日本硬式野球部の監督を務めた三鬼賢常(みき・けんじょう)氏だ。

 2012年の創部時から8年間、社会人野球の一線で指揮を執った同氏は、三重県の出身。木本高、愛知学院大を経て進んだ関東自動車工業では強打者としてプレー。その後、岩手のオール江刺や黒陵クラブで長らく現役を続けるなど、野球をこよなく愛する人物だ。今年に入ってから監督要請を受けて「地域と野球に恩返しをしたい」という思いから就任を決意したという。三鬼監督は言う。

「岩手に住んで今年で28年目になるのですが、いろいろな方に支えられながら好きな野球を続けてくることができました。そして、今がある。すごく感謝しています。岩手は、私にとって故郷と言っても過言ではない土地です。そのなかで、新しく創部する女子硬式野球部に携わられることに喜びを感じますし、感謝しています。

 花巻市や岩手県、そして東北の皆さまに期待していただけるような、男子の高校野球に負けないような日本一を目指せるチームをつくっていきたいと思います。学校教育の一環としての活動、野球を通じての人材育成という観点を忘れずに、まずは部員のみんなと野球ができることに感謝し、その気持ちを大事にしながら、ともに好きな野球を一生懸命に頑張っていきたいと思います」

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