あの名将が松坂大輔より上と脱帽。高橋宏斗は世代No.1を目指す (3ページ目)

  • 菊地高弘●文 text by Kikuchi Takahiro
  • photo by Ohtomo Yoshiyuki

 高橋本人にとってはこの日、天理の1年生強打者・瀨千皓(せ・ちひろ)にスライダーをレフトスタンドに放り込まれた2ランに続いて2本目の被弾だった。結局、9回裏に中京大中京は2番・中嶌優(なかじま・ゆう)のサヨナラ安打で勝利を収めたものの、試合後の高橋は「勝たせてもらった試合」と恐縮しきりだった。

 20日には健大高崎(群馬)との決勝戦、さらに来春には出場確実の選抜高校野球(センバツ)が控える。高橋が「世代ナンバーワン」であることを証明するには絶好の機会だ。高橋が意識する存在は、すでに最速151キロを計測し、2年生にして春夏連続甲子園ベスト4の実績がある中森俊介(明石商/兵庫)である。

「スピードもありますし、マウンドさばきもいいので、意識しています」

 好素材は豊富ながら大本命不在と言われる2020年ドラフト。その頂点をかけた争いが、早くも始まっている。

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