遊撃手の新時代を築く逸材。京都国際・上野響平の守備はファンキーだ (3ページ目)

  • 菊地高弘●文 text by Kikuchi Takahiro
  • photo by Kikuchi Takahiro

 現在、上野のもとにはNPBの5球団から調査書が届いている。上野の実力からすれば、少なく感じられるほどだ。それでも、プロがいかに厳しい世界かは上野なりに理解している。「今のままじゃ通用しないとわかっているので、指名されたときに万全な状態にしておきたい」と日々の練習に励んでいる。プロの厳しい生存競争を生き抜くために、本人が武器にしたいと考えているのは、やはり守備である。

「小さい頃から、『周りが嫌いなことで輝きたい』という思いがあったんです。小学生なら、みんなバッティングをしたがるじゃないですか。でも僕は、みんなが打った打球をさばくのが好きやったんです。そこが原点ですね」

 プロ入団時にショートでも、入団後に他ポジションにコンバートされる例は多い。しかし、上野に関してはプロでもよほどのことがない限り、ショートとしてプレーできるだろう。

 いずれは守備で金を取れる選手に----。上野響平のフィールディングには、そんな夢を描けるだけの魅力が詰まっている。

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