スカウトが来年のU-18代表かと熱視線。静岡の快速左腕の評判がよい (3ページ目)

  • 菊地高弘●文 text by Kikuchi Takahiro
  • photo by Kikuchi Takahiro

 自慢のストレートを投げるために大切にしていることは、腕の振りでもリリースでもない。「立つこと」だという。

「右足を上げたときに、きれいに立つことを意識しています。その後のことはとくに考えていません」

 得意なボールは「右打者のインコース」。つまり、父とのキャッチボールで磨いてきたクロスファイアーである。思えば、琢登が人生で初めてバッテリーを組んだ捕手は父なのだ。

 琢登に父から学んだことを聞くと、照れたような表情でこんな答えを返してきた。

「ずっとピッチャーを見てきたキャッチャーなので、キャッチャー目線からフォームのこととか教えてくれました。小さい頃に『グラブでキャッチャーミットを指せ』と言われて、投げたい方向にクラブを向けることは今もやっています」

 3位決定戦に勝利すれば、東海大会に進出できる。琢登は「1週間で疲れを取って、しっかり東海大会を決められるように勝ちたい」と語った。東海大会で好結果を収めれば、来春の選抜高校野球(センバツ)出場が見えてくる。

 センバツ、そしてさらに上の世界へ。渾身のクロスファイアーを投げ込む高田琢登の名前は、2020年に大きくクローズアップされるはずだ。

3 / 3

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る