山本昌が絶賛する夏の甲子園出場
10投手。将来性と課題をリアル解説

  • 菊地高弘●文 text by Kikuchi Takahiro
  • photo by Ohtomo Yoshiyuki

 50歳まで投手として現役生活を送った「生ける伝説」山本昌氏(元中日)。現在は評論家として活動する山本昌氏は、その慧眼で数々の好素材の秘めた資質を言い当ててきた。今夏の甲子園に出場した投手のなかから、山本昌氏が好素材と太鼓判を押した10投手の魅力と課題を掘り下げていきたい。

決勝で敗れたが、大会ナンバーワン投手と呼ぶにふさわしい投球を見せた星稜・奥川恭伸決勝で敗れたが、大会ナンバーワン投手と呼ぶにふさわしい投球を見せた星稜・奥川恭伸奥川恭伸(おくがわ・やすのぶ/星稜3年/183cm84kg/右投右打)

問答無用にすばらしい選手です。ここまで完成度が高いピッチャーは久しぶりで、甲子園出場投手のなかでは別格でした。何がすばらしいかと言うと、コントロールのつきやすい投げ方をしていること。体がホーム方向へ真っすぐに移動できて、広い幅を使わずに腕を振れるので、自然とストライクゾーンに行く投げ方になっています。スライダー、フォークなどの変化球もいいし、ピッチングセンスもある。プロでも早い段階で通用するでしょう。それでいて伸びしろも十分にあるので、体も強くなるはず。「○年に一人の逸材」というフレーズは毎年のように使われますが、奥川くんは紛れもない逸材です。

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