日本と違うアジアの高校野球。WBSCU-18の注目選手を取り巻くすごい環境 (3ページ目)

  • 木村公一●文 text by Kimura Koichi
  • photo by Ohtomo Yoshiyuki

 野手では、KIAタイガースから2次・1位指名のパク・ミン(遊撃手)、キウム・ヒーローズ21位のパク・ジュホン(外野手)に注目が集まっている。

 パク・ミンは185センチ、84キロの強肩の大型遊撃手。バッティングはまだ成長途上との見方もあるが、将来性豊かなスラッガー候補だ。

 パク・ジュンホも189センチ、95キロの恵まれた体躯で、1年秋からチームの主軸を打つ左のスラッガー。選球眼がよく、三振も少ない。外野守備に課題を残すが、韓国代表の得点源としてカギを握るのは間違いない。

 台湾もすでにドラフトは終わっており、代表からは4人の選手が指名された。また昨年のU18のアジア選手権にも出場し、日本戦で勝利投手となったエース格の左腕・王彥程(ワン・イェンシェン)は楽天と育成契約を結んだ。

 野手では遊撃手の鄭宗哲(ジャン・ゾンジェ)。身長175センチながら身体能力が高く、ショートの守備を高く評価されており、MLBのピッツバーグ・パイレーツと契約した逸材だ。台湾は日本と同じグループに入っており、日本にとっては厄介な相手である。

 最後に、韓国、台湾ともイメージの割には学校数や観客の少なさなど、意外に思われるかもしれないが、その理由は「高校野球=プロを目指す」という考えが強いからだ。彼らは高校生でありながらも、「プロになるため」「代表チームに選ばれるため」に練習に励んでいる。それは一般のファンにも通じることで、野球はまだまだ国民に浸透したスポーツというわけではない。

 とはいえ、国際大会となれば別だ。アジア大会など、日本では盛り上がりに欠ける面があるが、両国では相応の盛り上がりとなる。とくに自国開催の韓国戦はテレビ中継も含め、かなりの盛り上がりになるだろう。

 隣国でありながら高校野球を取り巻く環境はまったく違う。それぞれの環境で育ってきた選手たちがどんなプレーを見せるのか。それも国際大会の楽しみ方である。

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