軽井沢高校が見せた成長の夏。
3年生が先輩女子マネの思いをつなげた

  • 清水岳志●文 text by Shimizu Takeshi
  • photo by Shimizu Takeshi

 最後の夏を終えた3人の3年生は、大学、専門学校など、卒業後はそれぞれの道に進むという。彼らに、軽井沢高校での野球は何をもたらしたのだろうか。

「野球をやっていなかったら、楽なことに流れていたと思う。遠山先生が厳しい指導をしてくれて強くなれた。感謝しています」(山崎)

「中学で野球をやっていなかったので、チャレンジでした。ひとりで落ち込むこともあったんですけど、続けてきたことで挑戦する勇気が身についたと思う。チームスポーツの楽しさを知れたこともよかった」(内藤)

「周りから応援される喜びを知ることができた。つらいこともあったけど、自分が変わっていくのがわかるうれしさもあった。佑茉さんとは4カ月だけしか(一緒に)やっていないのですが、あの時とは変わったことを見せられたかな」(星)

 試合後、佐藤は3人にこんな言葉を贈った。

「4月にここに来て、遠山先生のあとを引き継ぎました。足りないこともあったと思います。それでも3年生は僕の指導についてきてくれて、一丸となって戦うことができたと思います。力を出してくれたのは3年生だった。よく頑張ってくれた」

 じつは、この日の朝6時半。小宮山さんは学校に来て、コールドスプレーを3人に手渡していた。「笑顔で頑張れ」と書き込んで----。

おわり

(文中一部敬称略)

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