2019.07.17

甲斐キャノン2世と令和の牛若丸。
小兵ふたりが神奈川を盛り上げる

  • 大友良行●文 text by Ohtomo Yoshiyuki
  • photo by Ohtomo Yoshiyuki

 そんな加藤について、高橋伸明監督は次のように語る。

「桐光戦はいい経験になりました。加藤は思い切りのいい打撃に加えて、捕球してから二塁までの送球が1.9秒と速い。身体能力が高く、ボディーバランスもいい。身長がない分、パワーをつけるために食事量を多くして体重を増やすようにと、口うるさく言っています。今のところは高校生捕手として申し分ありません」

 昨年の日本シリーズで強肩を披露し、MVPを獲得したソフトバンクの甲斐拓也も身長170センチと決して大柄ではない。甲斐の活躍も、加藤にとって大きな励みになっている。

 まだ2年生ながら、すでにいつくかの大学から誘いがあるという。今後の成長次第ではドラフト候補に名を連ねることは間違いないだろう。

 そしてもうひとりの注目選手が、橘学苑の内野手・上田甲(こう/右投左打)。

 打球に向かっていくフットワークの軽さと身のこなしは、阪神タイガースの往年の名ショートで"牛若丸"の異名をとった吉田義男を彷彿とさせる。

身長165センチの上田だが、いざグラウンドに立つとそれほど小さく見えない。三遊間の深い打球でも、捕球してからノーステップでスローイングするなど強肩も魅力で、スピードと力強さを持ち合わせた選手だ。

 昔、ある球団のスカウトから「左投手とセカンド、ショートの選手は、身長にはこだわらない」と聞いたことがある。たしかに、投手ではヤクルトの石川雅規(167センチ/左投左打)やソフトバンクの田浦文丸(168センチ/左投左打)らが活躍し、内野手ではオリックスの福田周平(167センチ/右投左打)やDeNAの柴田竜拓(167センチ/右投左打)といった選手が結果を残している。

 上田は軟式野球の名門・横浜市立鴨居中学出身で、Y校(横浜商)で野球をやっていた父から走攻守の基本を教わった。中学3年の夏には、星槎国際湘南高校でプレーする三浦舞秋らとともに県大会で優勝を果たし、関東大会に出場した実績を持つ。