琉球の奪三振王は及川雅貴より評価が上。ドラフト上位候補に名乗り (3ページ目)

  • 加来慶祐●文 text by Kaku Keisuke
  • 大友良行●写真 photo by Ohtomo Yoshiyuki

「(打者の)手元での強さ、そしてコントロール。172センチ、78キロという体のサイズも含めて、うちの東克樹に近い。即戦力性も高いので、来年の今頃、プロのユニフォームを着て、試合で投げている姿がイメージしやすいんです」

 昨シーズン新人王を獲得したドラ1左腕の成功例を引き合いに出しながら、宮城の未来像に思いを馳せる。試合中は喜怒哀楽を表に出さず、自分のペースを乱すことなく淡々と投げる姿から「国際舞台を知る者ならではの強みも見て取れる」と、2016年にU15ワールドカップで日本代表の一員として銀メダルを獲得した経験値も高く評価しているようだ。

 そして最大のセールスポイントである空振りの取れるストレートだが、9回に何食わぬ顔で146キロをマークしたように、アベレージで14344キロを叩く。

 体の負担が大きいと危惧されるインステップについても、稲嶺スカウトは「クロスの精度こそが最大の武器」と言い、宮城自身も「この投げ方をしていなければ、打ちやすいだけの左投手で終わっていたと思います」と語る。

 春の九州大会は惜しくも準優勝に終わったが、全国屈指の好投手であることは十分に証明した。夏の甲子園での活躍はもちろん、秋のドラフトでの上位指名もはっきり見えてきた春だった。

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