山﨑武司が厳選したセンバツの強打者9人。なかでも絶賛した選手は? (3ページ目)

  • 菊地高弘●文 text by Kikuchi Takahiro
  • 岡沢克郎、大友良行●写真photo by Okazawa Katsuro,Ohtomo Yoshiyuki

1年春からベンチ入りし、これまで4度の甲子園を経験している智弁和歌山・黒川史陽1年春からベンチ入りし、これまで4度の甲子園を経験している智弁和歌山・黒川史陽黒川史陽(智弁和歌山/182cm・82kg/右投左打/二塁手)

 打席での雰囲気はあるし、引っ張った打球の鋭さは非凡だと感じます。とはいえ、現段階では引っ張り専門。タイプ的に本塁打を量産する打者ではなく、広角に長打を打ってほしい打者でしょう。カギになるのは、ボールとの距離の取り方。どんな打者でも、遠くまで打球を飛ばすためのボールとの距離感があるわけです。でも黒川くんは、ステップする際にどんなコースでも上体が倒れるようにボールに向かっていってしまう。ボールとの距離を保つために、彼は自分の体を早く開くことで体を起こし、飛ばそうとする。この打ち方では、インコースを意識させられた後にアウトコースを攻められると、バットが届きません。また、上体でボールを追いかけると、自分の感覚上のストライクゾーンが変わってしまいます。まずはステップする際に上体を起こして、自分のストライクゾーンをつかむこと。そうすれば、幅広い方向に打てるようになるはずです。

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