明豊が打倒・横浜に虎視眈々。出場校中3位の打線に本格派が4人いる (2ページ目)

  • 加来慶祐●文・写真 text&photo by Kaku Keisuke

「"横浜の及川"という名前にまず負けないこと。気持ちで負けず、1球でとらえることが大事になってくる。兄の名前でなんとか対抗したいところですが(笑)」

 昨年、大阪桐蔭の2番打者として勝負強さを発揮し、春夏連覇に貢献した青地斗舞を兄に持ち、打席でただならぬオーラを醸し出している青地。通算本塁打は3本だが、ここにきて及川撃ちの切り札になりそうな雰囲気が漂ってきた。

 一方、横浜打線と対峙することになるエースの若杉も「相手はものすごく注目されている存在ですが、『負けたくない』という気持ちはあります」と、力強く語る。

 奪三振率12.85(1試合平均)の及川には及ばないものの、若杉も9.70と高い数字を残しており、これは全体8位にあたる。

 横浜打線は、昨年の甲子園でも4割以上の成績を残した内海貴斗や、チームトップの打率.433を誇る度会隆輝(わたらい・りゅうき)らを筆頭に、チーム打率.355の強力打線だが、川崎監督は若杉を中心とした投手陣に期待をかける。

「対及川くんばかりにクローズアップされがちですが、むしろ対横浜打線の方が大事だと思っています。初回にビッグイニングをつくられると楽にさせてしまうので、勝負にならない。(1--12で敗れた)2015年夏の仙台育英戦のように、ただ離されていく一方になるので......」

 そして、こう続ける。

「最後の夏ではないので『当たって砕けろ』でいいと思うんです。大会ナンバーワン左腕に対してどれだけ通用するのか。どうせやるなら好投手がいいと思っていました。いい投手とやるために甲子園に行くので。1回戦でやるのか準決勝でやるのかの違いだけで、及川くんのような投手を打てないと上位進出はないわけですから。楽しみにしていますよ」

 優勝候補の一角に挙げられている横浜だが、初戦から一筋縄ではいかない難敵が立ちはだかったことは間違いない。

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