「松井の5敬遠」の明徳投手が指導者に。
あの日の続きが2打席あった

  • 楊順行●文・写真 text&photo by Yo Nobuyuki

 さて、帝京平成大での河野コーチである。同大は1990年春に千葉県大学野球リーグに加盟し(当時は帝京科学技術大)、99年春には3部から2部に昇格した。その後3部降格もあったが、15年秋からは2部に定着し、最高成績は2位。だからまずは2部優勝、そして国際武道大などが属する1部への昇格が当面の目標になる。

「4学年で120人もいるから、いまは名前を覚えながら勉強しているところです。千葉リーグの2部で、甲子園経験者などほぼいませんから、レベル的にはまだまだこれから。ですが、選手の顔つきが変わってきた気はしますね」

 専修大時代は2部も含めて通算111安打、21本塁打。さらにヤマハ時代は都市対抗に出場した実績と、米独立リーグで長くプレーしてきた目は確かだ。

「アメリカの選手たちは、一見個性だけでやっているように見えますが、じつは打ち方ひとつとっても理にかなっている。ゆくゆくは、それを教え込んで本当のスラッガーを育てたいし、千葉の大学でトップになることが目標です。また、将来的には高校の指導もできますから、そこで甲子園に出て、馬淵さんと対戦できたらおもしろいですね」

 もしそうなったら......たしかに、おもしろい。

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