谷繁元信VS大阪桐蔭。「吉田輝星がふたりいれば抑えられるかも」 (3ページ目)

  • 元永知宏●取材・文 text by Motonaga Tomohiro
  • 岡沢克郎●写真 photo by Okazawa Katsuro

――谷繁さんが甲子園で大阪桐蔭と対戦するとしたら、どう戦いますか?

谷繁 1回戦で大阪桐蔭と当たるように、キャプテンに「大阪桐蔭を引いてこい」とプレッシャーをかけます(笑)。「組み合わせ抽選に全神経を集中しろ」と。先のことは考えないで、1回戦でぶつかって全力で倒すしかない。大阪桐蔭の選手たちが2、3試合して状態を上げたところで対戦したら、勝つ確率は低くなる。まだ相手が探り探りやっているところで"番狂わせ"を狙うしかないですね。

 僕なら、大阪桐蔭のデータをとって、相手が「嫌だ」と思うくらい徹底して弱いところを攻め続けます。たとえば、藤原の弱点がアウトコースの変化球だとするならば、そこばかり攻めて意識させておいてから違うボールで勝負する。それでも、やられそうな気がするなあ(笑)。

 そういう攻め方をするためには、ピッチャーにある程度の力が必要なんです。130キロそこそこのボールでは攻めきれない。序盤はよくても、3回り目、4回り目には通用しなくなってしまいますから。吉田のようなエース級をふたり用意することができればいいんだけど。

――そうなると、単独チームでは太刀打ちできませんね。そのくらい今年の大阪桐蔭が強かったということですか。

谷繁 高校生レベルで考えたら、今年はそうですね。彼らのレベルは本当に高かった。クリーンナップを抑えても、6番、7番が打つ。下位や1、2番がチャンスを作ってクリーンアップが返す。脇役や控えの選手も含め、チーム力が突出していましたね。(取材協力:寺崎江月)

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