谷繁元信VS大阪桐蔭。「吉田輝星がふたりいれば抑えられるかも」 (2ページ目)

  • 元永知宏●取材・文 text by Motonaga Tomohiro
  • 岡沢克郎●写真 photo by Okazawa Katsuro

不動の四番として大阪桐蔭をけん引した藤原恭大不動の四番として大阪桐蔭をけん引した藤原恭大――プロになれば毎日が試合の生活になるので、体力も必要ですね。

谷繁 プロの選手は1年間ずっと試合に出続けなきゃいけないので、もちろん体力がないともたない。僕がレギュラーとして試合に出るようになったシーズンも、疲労はすごかったですよ。プロはケガをしないで何年もいい結果を出し続けないといけない。体と心の両方を鍛えながら、同時に技術も磨いていく必要があります。

――藤原のバッティングはどう評価していますか?

谷繁 彼の課題も根尾に似ています。外角の緩い変化球で打ち取られる場面もありましたが、どんなにいいバッターでもすべてのボールを打てるわけじゃない。弱点があるのは当たり前。大切なのは、自分が得意なボールをミスなく仕留められるかどうかです。

 そのいい例が、読売ジャイアンツの岡本和真です。彼はもともと自分の"ツボ"を持っていたけど、プロのピッチャーのスピードやキレに対応できず、ミスをして追い込まれていた。それが今年は、得意なボールを確実に打てるようになったため、好成績を残すことができています(9月10日現在、打率3割1分6厘、30本塁打)。プロのピッチャーに慣れるまでには、どんなバッターにも時間が必要です。でも、高校3年生の時点であれだけバットを振れるのはすごい。そこは評価したいですね。

――優勝した大阪桐蔭では、クリーンアップの中川、藤原、根尾だけではなく、一番の宮崎仁斗(じんと)、二番の青地斗舞(とうま)などもいい働きをしました。

谷繁 よくぞここまでいい選手を集めたなと思います。高校レベルでは反則じゃないかと思うくらい(笑)。彼らに勝とうと思ったら、万全の状態の吉田で勝負するしかない。それも、大会の雰囲気に慣れる前の1回戦で当たりたいですね。今年の大会でも、ベスト8に入れる力のあるチームが1、2回戦で当たっていたら・・・・・・結果は違っていたかもしれない。

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