大阪桐蔭のレジェンドOB・辻内が
後輩を分析「根尾は二刀流を」

  • 寺崎江月●取材・文 text by Terasaki Egetsu

 100回記念大会の甲子園で、史上初となる2度目の春夏連覇を達成した大阪桐蔭(北大阪)を、レジェンドOBはどう見たのか。前回の平田良介(現中日ドラゴンズ)に続き、現在は女子プロ野球チームの埼玉アストライアで監督を務める辻内崇伸に話を聞いた。

 2005年の夏に甲子園を沸かせた快速左腕から見た、大阪桐蔭の3人のピッチャーの評価、金足農の吉田輝星の印象とは。

大阪桐蔭時代にエースとして活躍した辻内大阪桐蔭時代にエースとして活躍した辻内──辻内さんから見て、今夏の大阪桐蔭はどんなチームでしたか?

「戦力が圧倒的でしたね。それでも春夏連覇を達成することは簡単ではないですし、世間の大きな期待、注目を集めながら優勝したことは本当にすごいと思います」

──辻内さんがいた頃のチームと比較していかがですか?

「僕が3年生のときも、平田や1年生に中田翔(現北海道日本ハムファイターズ)がいましたが、総合力では今大会のチームのほうが上です。守備が安定していて、攻撃面でも1点を取りにいくための戦術のバリエーションが豊富になったと思います。

 たとえば機動力にしても、僕らの時代は平田を含めた数人でしか足を絡めた攻撃ができなかった。それが今大会では足の速い選手ばかりだったので、エンドランを仕掛けるなど効果的に得点を重ねることができていました」

──3人の3年生ピッチャーの活躍が大きかったと思いますが、

「背番号1を背負った柿木蓮投手は、球が速く、スライダーも完璧でコントロールがよかった。今大会のピッチングについては言うことなしです。根尾昂選手は『器用だな』というのが第一印象でした。しっかり打者心理を読みながら投球をしているように見えましたね。気持ちの強さも投球フォームに表れていました。

 僕と同じ左投手である横川凱投手は、インサイドをつく投球術は光っていましたね。ただ、フィールディングは要改善。今のままではプロで活躍することは厳しいと思います。190センチと高身長で素質は十分にありますから、じっくり技術を磨くためにも、大学や社会人に進むのがいいのかなと思います」

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