山﨑武司が100回大会の強打者を分析。プロ同等の技術を持つのは? (10ページ目)

  • 菊地高弘●文 text by Kikuchi Takahiro
  • 岡沢克郎、大友良行●写真 photo by Okazawa Katsuro、Ohtomo Yoshiyuki

二刀流として注目を集めた中央学院の大谷拓海二刀流として注目を集めた中央学院の大谷拓海大谷拓海(中央学院3年/178cm・77kg/右投左打/投手・外野手)

この打者も強く振れることが魅力ですね。引っ張るよりも、反対方向(レフト方向)によく飛ぶ打ち方で、ふところまで呼び込めるのがいい。足を高く上げる分、下半身の安定感をいかにして作っていけるかが課題になるでしょう。今のままでは調子が悪くなると、バランスが崩れて対応にてんてこまいしてしまうはずです。形がしっかりできてくれば、いずれは必ず引っ張れるようにもなります。上のレベルでは反対方向だけでなく、引っ張る打撃も覚えたほうが打者として幅が広がります。

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 全体的に見て、年々バッティングの技術が上がってきているように感じます。アマチュア指導者の方々のレベルが上がっている証拠でしょう。根尾くん、藤原くん、小園くんあたりはプロの打撃コーチでも大きくいじる必要はないでしょうね。一方で万波くんや林くんのような原石に近い選手も逆に面白い。指導してみたいという思いがふつふつと沸いてきます。

 この10人の中から単純に打撃だけの評価で1人だけドラフト指名できるとしたら、僕なら藤原くんを選びますね。下半身の使い方を覚えれば、今以上に強く振れることが生きてくるはずです。

 いま、プロ野球界は高卒選手がスターになることが多いですよね。金魚は水槽の大きさに合わせて大きくなるという説があります。彼らには高卒スター候補として、プロの厳しい環境で大きく成長していってほしいですね。

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