時代遅れと言われても。金足農がブレずに貫いた「ザ・高校野球」戦法 (3ページ目)

  • 田尻賢誉●文 text by Tajiri Masataka
  • 岡沢克郎●写真 photo by Okazawa Katsuro

 金足農の活躍は、秋田の住む人だけでなく、現在は故郷を離れている秋田出身の人々にも勇気を与えたに違いない。高校野球によって地元の人たちと深くつながることができる。この空気が伝わったからこそ、秋田出身以外の人たちも共感し、金足農に感情移入したのではないだろうか。

 ブレずに貫いたことで生まれた"個性"。故郷に勇気と感動を与えることで生まれた"共感"と"感情移入"。この"個性・共感・感情移入"の3Kが、金足農の快進撃を支えた大きな要因となったのだ。

 甲子園の原点を忘れてはいけない──節目の100回大会に、そんなメッセージが込められていたかのような金足農の快進撃だった。

◆2年生投手に実力派がずらり。 スカウトの視線は早くも101回大会>>

◆2ランスクイズでサヨナラ負け。近江が悔やむ心のスキに予兆があった>>

  

『荒木大輔のいた1980年の甲子園』(集英社刊)の著者・元永知宏氏のトークイベントが9月2日(日)、蔦屋書店・枚方T-SITEで開催されます。

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