2018.08.25

「あの頃の雰囲気に似てきた」
興南の名将が新チームにワクワクしている

  • 加来慶祐●文 text by Kaku Keisuke
  • 大友良行●写真 photo by Ohtomo Yoshiyuki

 とくに8回無死満塁からリリーフし、空振り三振、投手ゴロ併殺打に打ち取り、無失点で切り抜けたこの”宮城の10球”は、富山商戦での”島袋の19奪三振”を彷彿させる名場面だった。

“島袋の再来”と期待される宮城だが、昨年夏は背番号11を背負い、甲子園初戦の先発マウンドに立ったものの、智弁和歌山の強力打線に5回4失点KOとホロ苦い経験となった。

 土浦日大戦の後、宮城はこう語った。

「去年は相手に対して恐怖心を抱いたまま投げてしまった。今年は怖さを蹴り飛ばすつもりで、それぐらい強い気持ちを持って試合に臨めました」

 続く木更津総合戦はリリーフで3回2/3を投げて3失点と打ち込まれたが、自己最速タイとなる143キロをマーク。

「結果的に負けてしまったので、蹴り飛ばせたかどうかはわかりませんが、去年のような怖さはいっさいなかったです」

 去年の経験を力に変えたのはたしかだ。

 我喜屋監督も「同時期の島袋と比べて、単純にスピードという点では宮城の方が上」と言い切る。中学時代にU15日本代表にも選ばれた宮城への期待も、さらに大きくなったに違いない。

 その宮城に加え、初戦で先制打を含む2安打2打点と活躍した根路銘太希(ねろめ・たいき/2年)や、1年生にしてスタメンで出場し3安打を放った西里颯といった下級生が躍動。さらにはショートで好守備を連発した勝連大稀(かつれん・ひろき)、正捕手の遠矢大雅も2年生である。

 1年生の西里に対して、我喜屋監督は次のように語る。

「こちらが指示する前に、自ら逆方向への打撃をする職人肌のタイプで、2010年の春夏優勝メンバーで、当時2年生だった大城滉二(現・オリックス)のような選手になる可能性を秘めています。一方で、我如古のような意外性もある。炎天下でみんなと同じ練習をしていても、なぜか西里だけは日焼けしないんだよなぁ(笑)。そんな不思議さを持っているという意味でも、今後は西里あたりがラッキーボーイとして活躍してくれるでしょう」