100回大会は目玉不足から豊作へ。ドラフト上位候補は6人いる (3ページ目)

  • 田尻賢誉●文 text by Tajiri Masataka
  • 大友良行●写真 photo by Ohtomo Yoshiyuki

 投手で渡辺に次いで高評価を得たのが、2試合連続2ケタ奪三振を記録した金足農の吉田だ。149キロを記録したスピードだけでなく、けん制やフィールディングもうまい。また、秋田県大会からひとりで投げ抜くスタミナも魅力だ。

「初戦(鹿児島実戦)は県大会より出来がよくなかったけど、それでもこれだけ投げられるんだ(14奪三振)というのを見せてもらった。けん制やバント処理などを見てもセンスを感じるし、マスクもいい。あえて注文を出すとすれば、決め球となる変化球がほしいね」(A氏)

「フォームに無駄がないから、コントロールが乱れない。真っすぐの質も素晴らしいし、ギアの上げ方やペース配分もいい。総合力が高く、器用な投手だね」(B氏)

 高評価を受ける吉田だが、「大学進学が有力」との噂がある。あるスカウトは「選手には"売り時"がある。とくに投手はいつ故障するかわからないし、高卒でプロに入ってもらいたいね」と語るように、最終的に吉田自身がどんな決断をするのか注目される。

 このほか、「3位以内には入る」と評価されたのが花咲徳栄の野村佑希。全国制覇を成し遂げた昨年も2年生で4番を任されたが、今夏は「4番・エース」として2本塁打を放った。

「去年のビッグ3(清宮幸太郎、安田尚憲、村上宗隆)より、ちょっとだけ下というレベル。それぐらいパワーは立派。当たれば飛ぶし、スケールがある。問題はプロでどこを守るかということだけど、肩があるからいろんなポジションに挑戦させられる。巨人の岡本和真ぐらいになる可能性はある」(A氏)

 ここまでがドラフト上位候補だが、下位指名で名前の挙がりそうな選手はまだまだいる。筆頭が、大阪桐蔭のエース・柿木蓮。沖学園戦ではリリーフで登板し、自己最速となる151キロを出してアピールした。

「春から成長している。1イニングであれば、150キロを出せるエンジンがあることがわかった。能力が高く、まだまだ成長できる」(B氏)

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