2年後のドラフトがもう気になる。ス-パー1年生たちが甲子園で活躍 (2ページ目)

  • 菊地高弘●文 text by Kikuchi Takahiro
  • photo by Jiji Photo

 開幕戦の藤蔭(大分)戦では、貴重な追加点となる適時二塁打をライトに放つなど、3打数1安打1打点を記録。遊撃守備も無難にこなし、勝利に貢献した。捕球してからの握り替えが速い守備も「キャッチャーのスローイング動作を経験したことが大きい」という。ただ、いずれは捕手に再転向することも視野に入れている。

「6~7月もキャッチャーの練習をしていましたし、新チームになったら練習すると思います。3年生になれば僕がキャッチャーになると思うので、そのときは誰にも負けたくないですね」

 今大会には内山と同様に侍ジャパンU−15代表(アジア大会)のメンバーが3人も出場している。内山と同じく星稜に所属しているのが、大型右腕の寺西成騎(なるき)だ。

 この投手は2020年ドラフトの主役になってもおかしくないだけのポテンシャルがある。身長186センチ、体重79キロの巨大な体から、中学3年時には軟式球で141キロを計測したこともある。

 能美市立根上中の軟式野球部出身。松井秀喜氏は小学校、中学校、高校を通しての大先輩になる。

「松井さんは小学6年生のときに1度生で見たことがあります。中学校には松井さんのサインバットや手形が飾ってありました。手形はデカかったです(笑)」

 石川大会ではわずか1試合、2イニングの登板に留まったが、甲子園では藤蔭戦で2年生エース・奥川恭伸の後を受けて9回からマウンドに上がった。投じた球数はわずか9球ながら、最速143キロをマーク。長身からしなやかかつ強く腕を叩きつけ、その高い資質をアピールしてみせた。

「初めてあんなに多くの人たちに見られる中で投げたんですけど、今日は指のかかりがよかったです。軟球では141キロが出たのに、高校では139キロまでしか出なくて伸び悩んでいたので、143キロが出てうれしかったです。昨日、コーチとブルペンでフォームを確認して、体重移動で前足に乗るようになったのがよかったのかなと思います」

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