今井達也が振り返るあの夏の熱投「投手で日本一になった実感はない」 (4ページ目)

  • 石田雄太●文 text by Ishida Yuta
  • 岡沢克郎、市川光治(光スタジオ)●写真 photo by Okazawa Katuro,Ichikawa Mitsuharu(Hikaru Studio)

入団2年目の今季、6月にプロ初勝利を挙げた今井達也入団2年目の今季、6月にプロ初勝利を挙げた今井達也―― 甲子園で5試合に先発しましたが、今井投手のベストゲームは?

「初戦ですね。尽誠学園戦(最速151キロ、13奪三振、3-0で完封)です。変化球も高めに浮かなかったし、左バッターのインコースを真っすぐと変化球でどんどん攻めていけた。強気のピッチングができたと思います。スピードに関しては栃木大会で149キロまで出ていましたし、甲子園が決まった後、チームメイトから『甲子園でアドレナリンが出れば、150キロ、絶対に出るよ』って言われていたので......もちろん僕も、出したいなとは思っていました」

―― その後も甲子園ではずっと150キロ台が出てましたね。

「調子の波が少なかったんです。5試合、失点しても2点まででしたし、ウチの打線がよく打ってくれました」

―― 今でも浮かんでくる場面は?

「準々決勝の木更津総合戦のけん制(7回、3-1と2点差に迫られた7回、2塁ランナーを牽制でアウトにした)の場面。あとは8回、ホームでタッチアウトにした(ワンアウト1塁から相手の4番、鳥海嵐万にレフト線へ弾き返され、1塁ランナーが3塁を回ってホームを狙うも、レフトの鈴木萌斗からの返球をショートのキャプテン・山本拳輝が中継に入って、ストライク返球で生還を許さなかった)ところ。決勝の北海戦では、2回にショートの山本が三遊間の当たりを横っ飛びで止めて、2点目を防いだ場面も......やっぱり自分がピンチを背負ったとき、踏ん張りたいときに守備で助けてもらった場面が浮かんできますね」

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