王者・大阪桐蔭の春夏連覇に「待った」をかけるのはこの5校だ! (2ページ目)

  • 田尻賢誉●文 text by Tajiri Masataka
  • 岡沢克郎●写真 photo by Okazawa Katsuro

 エースの小寺智也は京都大会で4試合に登板し、21回2/3を投げ無失点。四死球もわずか2と、安定した投球を披露した。厳しいことで知られる原田英彦監督は、この夏、積極的に笑顔やガッツポーズを見せるなど"キャラ変"。いつもと違う采配ぶりも見ものだ。

 初の3年連続出場を果たした横浜も、投打ともにタレントが揃う。

 打線の中心はコンゴ出身の父を持つ万波中正。190センチ、88キロの堂々たる体躯を生かしたパワーが持ち味だ。南神奈川大会では、横浜スタジアムのスコアボード直撃弾や、あわや左翼場外へ飛び出そうかという超特大弾を放った。投手としても最速147キロを記録する。

 元ヤクルト内野手・度会(わたらい)博文氏を父に持つ1年生の度会隆輝は、代打で5打数5安打を記録。巧みなバットコントロールは要注目だ。

 投手陣は左腕二枚看板が健在。エースの板川佳矢(いたかわ・よしや)はスライダー、チェンジアップを武器に20回2/3で25奪三振。与四死球もわずか3と大崩れしない。2年生左腕の及川雅貴(およかわ・まさき)は、今年6月に152キロを記録。早くも来年のドラフト1位候補と呼び声が高い。

 ただ、緻密な野球を売り物にしたかつての野球が影を潜め、南神奈川大会6試合で28三振の粗さが気がかりだが、大阪桐蔭に匹敵する能力は十分にある。

 同じく3年連続出場の木更津総合も力がある。例年は投手を中心にした守りのチームだが、今年は五島卓道(ごしま・たくぞう)監督も「ここ10年でもっとも上」と自信を持つ強打が自慢。

 昨夏から中軸を打ち、今夏の東千葉大会準決勝ではサイクル安打を記録した野尻幸輝を中心に犠打も使ってつなぐ。投手陣もエース・野尻に加え、東千葉大会初戦で148キロをマークした2年生右腕・根本太一、東千葉大会では1番を背負った白井竜馬らコマが揃う。

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