監督はコンビニ経営者。別海高は「乳しぼりができる甲子園球児」を目指す (4ページ目)

  • 安倍昌彦●文 text by Abe Masahiko

 北海道は美味しいものの宝庫だから、おにぎりの具材には事欠かない。鮭、すじこ、昆布、チーズ、おかか......など、普通のコンビニで売られているおにぎりの2倍はあろうかと思われる大きさのものを「おいしくなーれ、おいしくなーれって、気持ちを込めながら握っています」と島影監督は言う。

「野球も同じなんです。上手になーれ、上手になーれって、思いを込めながらノックを打つんです」

 今年春の大会では、釧路地区の予選で釧路湖陵に3-4で敗れた。

「その釧路湖陵が予選の決勝で、北海道大会に進んだ釧路明輝と互角の試合をしているんですよ」

 だからウチだって、もう少しで北海道大会、そして甲子園......そう気持ちでは思っていても、決して口に出したりしない。前任校の武修館では、嫌というほど北海道大会の厳しさ、甲子園への道のりの長さは思い知らされている。

「なんか、こんな田舎の、牛だらけの町から甲子園に出たら、かっこよくないですか。痛快ですよね。たしかに、大阪桐蔭もかっこいいですけど(笑)」

 牛の乳しぼりができる甲子園球児――冗談っぽく言いながらも、そのイメージはしっかりできあがっている。別海高校の夏に期待したい。

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