スカウト陣の目がハート。大学選手権に「4カ月後のドラ1」がズラリ

  • 佐伯要●文 text by Saeki Kaname
  • 大友良行●写真 photo by Ohtomo Yoshiyuki

 第67回全日本大学野球選手権が6月11日に開幕する。全国の26連盟を代表する27大学が春の大学日本一を目指して戦う。今年は投手にドラフト候補の逸材が揃っており、緊迫した戦いが見られそうだ。

 なかでも注目は、2年連続で出場する東洋大の150キロ右腕トリオだ。

東都リーグ春のリーグ戦で6勝をマークしたプロ注目の東洋大・上茶谷大河東都リーグ春のリーグ戦で6勝をマークしたプロ注目の東洋大・上茶谷大河 エースの上茶谷大河(かみちゃたに・たいが/4年/京都学園)は最速151キロのストレートとスライダー、スプリットを武器に三振が奪える本格派。昨年秋まではリーグ戦で6試合(4回2/3)に登板しただけでさしたる実績はなかったが、冬に右腕の使い方や体重移動など、フォームを修正したことで球質が上がり、制球も安定した。

 この春のリーグ戦ではエースとして10試合に先発して6勝2敗、防御率2.29(リーグ2位)をマーク。最高殊勲選手、最優秀投手、ベストナインを獲得した。また、5月4日の駒沢大戦では20個の三振を奪い、東都リーグの1試合最多奪三振の新記録を樹立している。

 プロのスカウトは「内外角の低めに制球できる。安定感のある投球だけでなく、打者に向かっていく姿もいい」と評価している。

 最速155キロの甲斐野央(かいの・ひろし/4年/東洋大姫路)は、ストレートと140キロ前後のスプリット、スライダーで打者をねじ伏せる。ストレートの球威が目立つが、変化球のコンビネーションでストレートを生かすことができる器用なタイプだ。

 プロスカウトも「低めに角度のあるストレートとスプリットを投げられる。ピンチでも動じないし、気持ちの入った投球を見せる」と高く評価している。

 チームの守護神として今春は9試合にリリーフとして登板。1勝0敗、防御率1.80と好成績を収めた。

 優勝がかかった亜細亜大との試合では、上茶谷と2試合連続で完封リレーを完成させるなど、上茶谷-甲斐野の継投は東洋大の"勝利の方程式"となっている。

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