2018.05.15

あの北大医学部サウスポーが
「プロ挑戦は今年が最後」という背水の陣

  • 井上幸太●文・写真 text & photo by Inoue Kota

 トレーニングと並行して、母校の図書館に通い、投球や身体の構造に関する書物を中心に読み進めた。インプットを繰り返すだけでなく、自身のSNS等でアウトプットも行ない、知識の増強を図った。学生時代の勉強で身につけた姿勢も駆使しながら、貪欲に成長のヒントを求めていった。

「効率的、理想的といわれる体の使い方や投球フォームの共通点を見つけようと考えました。理に適(かな)ったフォームに作り替えるというよりも、共通点を知った上で、そこから"はみ出す"。そこから生まれる個性が、NPBに行くためには必要だと」

「ボールの出どころが見づらい」といわれるフォームが特長の三木田だが、同時に上体の前傾が深くなり過ぎるという悪癖があった。そこを完全に修正するのではなく、球威向上のために必要な前傾角度と、リリースが見えづらいという"個性"が共存する落としどころを探す。そのためにも知識が必要だった。

「今回のオフだけでなく、シーズンが始まってからもですが、『身体を休めても、頭は休めない』ことが必要だと思っています。トレーニングもしない完全な休息日に、漫然と過ごしてしまったら前進できない。必要な休息は取りつつも、野球に関する本を読んだり、動画を見たり、何かしら知識を得るようにしたいです」

 今シーズンは昨年以上に、「チームの結果」にこだわりたいとも話す。

「1年目はチームが勝っても、自分の結果が悪かったり、登板できなかったときは落ち込んだり......。言ってみれば自分のことしか考えていなかった。勝ちに貢献できるような結果を自分自身が出すことはもちろん、チームとして優勝したいです。

 それに加えて、11年続いていた香川からのドラフト指名が昨年途切れてしまった。これは僕たち選手が重く受け止めなければならないと思っています。チームとして独立リーグ日本一になる。そこに繋がる結果を出して、個人としてはNPBに行く。その両方にこだわっていきたいです」