秀岳館から公立の母校へ。古豪復活を期す
名将・鍛冶舎巧の強化プラン

  • 加来慶祐●文 text by Kaku Keisuke
  • 大友良行●写真 photo by Ohtomo Yoshiyuki

 すでに選手を集めてのミーティングも行なった。わずか回のミーティングだったが、選手たちの真剣な眼差しに手応えを掴みった。

「以前から選手たちに求めてきた"自主・自立・自治"。これは私の野球の幹にあたるものなのですが、彼らの視線を受け、意外に早く浸透できるのではないかと思いました。自ら考え、自ら行動に移す。8時間の練習を4時間に詰め込もうとしているわけですから、これができなければとても勝利どころではない。

 繰り返しますが、徹底した時間管理と時間を削る工夫、そして教える指導から引き出す指導へ。そうして生産性を高めていくことが、これからの高校野球で公立校が勝っていく唯一の方法だと思います」

 正式な監督就任は3月1日。しかし学校は期末試験の真っ最中ということもあり、3月8日に解禁される練習試合はほぼぶっつけで臨まなければならない。

「いきなり1週間、練習ができないんですよ(笑)」

 まずは、公立校の洗礼を浴びてのスタートとなる。はたして、どのような手法で"古豪復活"を果たすのか。鍛冶舎の一挙手一投足から目が離せない。

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