秀岳館から公立の母校へ。古豪復活を期す名将・鍛冶舎巧の強化プラン (3ページ目)

  • 加来慶祐●文 text by Kaku Keisuke
  • 大友良行●写真 photo by Ohtomo Yoshiyuki

 岐阜県内を見ても、阪口慶三監督率いる大垣日大や、2016年夏の代表校である中京学院大中京らの私学勢が力を維持しており、さらに根尾昂(ねお・あきら/大阪桐蔭)に代表されるように岐阜県出身の有力選手の県外流出という現実にも向き合っていかなければならない。

 このように厳しい戦いが待ち構えているが、勝利するための"次なる一手"を準備していると鍛冶舎は言う。

「伝統ある公立校ほど、上からの指示が多いと感じています。指導者サイドからすると、どうしても"教える"というスタイルを取りたがるものなんです。つまり、子ども側からすると"パッシブ・ラーニング(受動的学習)"になってしまう。でも私は"アクティブ・ラーニング(積極的学習)"というスタイルで、ひとりひとりの個性と向き合ってきました。"教える"から"引き出す"という指導に変化するわけですから、おそらくコーチ陣との衝突が起こるでしょう。しかし、衝突なくして変革なし。これが改革へのエネルギーになっていくのです」

 すでに現場に対しては「教えない勇気を持て」と言っている。指導者の"教えたがり体質"を改善することで、選手たちに学習意欲を掻きたて、さらには練習の効率化も図っていく。

 また、秀岳館時代に年4回実施していた専門の業者による身体能力測定をさっそく実施させ、選手個人の目先の数値目標を明確にした。鍛冶舎自身にとっても、各選手の能力値を把握できた成果は大きい。

「30m走の最速は4秒32でしたが、これは秀岳館では最下位クラス。また、飛距離をポイントに換算して行なうロングティーも、チームトップの子が秀岳館の最下位と同等の数値でした。今まで見てきた数値とあまりにかけ離れていますが、それはそのまま伸びしろの大きさですから、あまり悲観していません。秀岳館のときは目標体重をそれぞれに設定していたのですが、今回の測定結果でその必要性も痛感してくれたはずです」

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