ドラフト前日。「12球団の思惑」をベテランスカウトが読み切った (2ページ目)

  • 谷上史朗●文 text by Tanigami Shiro
  • 大友良行●写真 photo by Ohtomo Yoshiyuki

 この5球団以外に名前が挙がったのが、DeNAとロッテ。ただ、DeNAは日本シリーズ進出こそ果たしたものの、シーズンは2年連続3位。現有戦力を見ると、もうひとり先発で計算できる投手がほしい。

 チーム防御率4.2212球団ワーストのロッテも、来季の戦力を考えれば即戦力投手を指名したいところだ。ただ、清宮は人気だけでなく高校通算111本塁打の実績もある。つまり、人気+実力を兼ね備えた清宮の指名については球団側の意向も大きい。そのあたりの事情も含め、DeNAとロッテにも指名の気配があるというのだ。そしてロッテについては、「井口(資仁)監督の判断で決まるんじゃないでしょうか」と加えた。

 清宮以外では、広島が中村奨成(広陵)、オリックスが田嶋大樹JR東日本)の1位指名を明言している。

 オリックスは昨年のドラフトで社会人の山岡泰輔を1位、大学生の黒木優太を2位で指名するなど、大学・社会人の即戦力を上位で獲得してきたが、今年もその方針でいくようだ。前出のスカウトは、田嶋の指名について次のように語る。

「田嶋のほかに大学や社会人で何人か名前が挙がっていますが、『間違いない』と思える投手がいないのも事実です。何かしら不安を抱えていて、1年目から活躍できない可能性が高い。そう思うと、実戦力で勝る田嶋3チームほどが指名するかもしれません」

 田嶋のほかに、社会人では鈴木博志(ヤマハ)、鈴木康平(日立製作所)、西村天裕(NTT東日本)、大学生では東克樹(立命館大)、馬場皐輔(仙台大)、鍬原拓也(中央大)、齋藤大将(明大)らの名前が挙がる。

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