「中村奨成はプロでも中心選手」。
国体で対戦した元プロ監督が太鼓判

  • 元永知宏●取材・文 text by Motonaga Tomohiro
  • photo by Kyodo News

 高校球児として最後の公式戦となる今大会に臨んだ中村奨成は「楽しみながら、試合ができた。観客のみなさんの期待に応えることができてうれしかった」と語った。

 カナダで大不振に陥ったため、中村奨成が木製バットに対応できるかどうか疑問視する声もあった。金属バットで何本ホームランを放っても、プロ野球でも同じように打てるとは限らない。木製バットを使いこなすことができないままユニフォームを脱ぐ高卒の大砲はいくらでもいる。

 大会前には愛媛国体で木製バットを使うことも考えたという中村奨成だが、結局は金属バットを持って打席に入った。それでも、木製バットでのバッティングを意識していたと本人は言う。

「やっぱり木に比べれば、金属バットを振りやすいですね。金属だと、自分でも『こんなに飛ぶのか?』と驚くような打球もあります。いまは金属バットの反発力に頼らないこと、しっかり下半身を使って回ること、手首の返し方を気にしています。カナダの大会での収穫は、打席で余裕ができて、自分のタイミングで打てるようになったこと」

 侍ジャパンU-18 代表では清宮幸太郎(早稲田実業)、安田尚憲(履正社)などドラフト候補生とともに戦い、刺激を受けた。

「安田君の手首の返し方は参考になりました。技術的なことだけでなく、打てないときにどうやって修正するか、気持ちの持ち方など勉強になることがたくさんありました。いまのままでは満足できません。上で通用する選手になりたい」

 その中村を相手ベンチから見ていたのが天理(奈良)の中村良二監督だ。夏の甲子園準決勝で中村に4安打(2ホームラン)7打点を許して敗北したが、国体でも抑えることができなかった。

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