西武・源田に続く「いきなりレギュラー」
候補の社会人野手が4人いる

  • 安倍昌彦●文 text by Abe Masahiko
  • 大友良行●写真 photo by Ohtomo Yoshiyuki

 崩れた体勢からのスローイングの強さと高い精度。一瞬にして消えるような盗塁のスタートとスライディングスピード。さらに、「長打はないな......」と思っていたら、右中間深いところに放り込むパワーも見せつける。とにかく、敵も味方も油断ならない"くせ者"だ。

 このふたり以外にも、今年の社会人には楽しみな選手が控えている。

 まず驚かされたのが、西濃運輸の捕手・松本直樹(24歳/178センチ85キロ/右投右打/立教大)のスローイングだ。軽やかなフットワークを生かしたステップから抜群にうまい遊撃手のようなスナップスローは、ヤクルト全盛期を支えた古田敦也とダブる。

 地肩の強さというより全身の敏捷なメカニズムで投げる超スピードタイプ。手首が強く、指先の感覚も鋭敏。どんな捕球体勢からも、とっさの指先のあんばいでベースの上に合わせてしまう。スローイングの実戦力は、すでにプロ級だ。

 ちなみに松本は立教大出身だが、東京六大学のリーグ戦で見たことは一度もない。なぜなら、在学中はずっと控えだったからだ。

「どうなか?」と思われていたバッティングも、都市対抗とこの秋の日本選手権予選では大事な場面でホームランを放つなど急成長中。この1年、ずっとレギュラーとしてマスクを被った経験も大きく、今がいちばん野球を面白いと感じているはず。

 そしてもうひとり、捕手でイチ押しの選手がいる。NTT西日本の大城卓三(25歳/187センチ86キロ/右投左打/東海大)だ。社会人3年目だが、見るたびにディフェンス力が上がっている。

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